Sendiy M2 レビュー - 黄昏色のオーディオ使い

Sendiy M2 レビュー

過去に入手した中華イヤホンのレビューを続けてきましたが、つい最近入手した物にまたしても大きな感銘を受けてしまったので、割り込みで、そのレビュー記事を書きます。それはSendiy M2という中華イヤホンです。

このSendiy M2はSENDIY AUDIOというAliExpressのストアから購入しました。SENDIY AUDIOというのがM2のブランド名です。AliExpress上のストア情報による会社名はWang Kaijunという個人名義になっています。SENDIY AUDIOは多分この人が設立したガレージ・メーカーではないかと思われます。

私はメーカーのストアから直接購入しましたが、商品に手書きのグリーティングカードも添付されていました。小規模メーカーならではこういう対応は親密感が湧くので嬉しいものです。

特徴、外観


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Sendiy M2は口径8mmのダイナミックドライバ1基を搭載しています。商品ページには、ドライバ振動板の素材として「platinum alloy liquid metal diaphram」という記載があります。これを直訳すると「プラチナ合金液体金属ダイアフラム」になります。素人の私には詳細は判りかねますが、いままで聞いたことがない組み合わせの言葉なのでかなり特殊な製法で造られている素材なのでないかと想像しています(これに関して詳細を知っている人がいれば教えてほしいです)。

M2のハウジングには木(黒檀)が使われており、ステムとケーブル引出し部分はプラスティック製のようです。本体ボディのサイズは標準的で、重量は軽めです。全体的な造りは良いですが、細部に少しあまさが見受けられます。M2は一個ずつ手作業で造られているらしいです。手工芸品としてなら、優秀な造りではないかと思います。ケーブルもかなり上質な印象で、その線材は銀メッキOFCが使われているそうです。このケーブルは柔らかいので癖はつきにくいです。

M2のノズルは交換式になっており、本体に取り付け済みの銀色の物の他にもう1組黒色の物が付属しています。プラスティック製のノズルはネジで固定する形になっていますが、本体側のネジ部分もプラスチック製なので強度に不安を感じます。このノズルは交換式ではなく、固定の方が良かったのではないかと思えます。

付属品は結構豪華で、イヤーピースやケースだけでなくエージング用CDまで付属しています。イヤーピースはシリコン製3サイズ、ダブルフランジの物1サイズ、ウレタンフォーム製1サイズの合計5セットが付属しています。

音質印象


Sendiy M2の音を聴いて、特に印象が強かった点を先に列記します。なお、以降の内容は銀色ノズルでの試聴結果に基づいています。

  • 木製ハウジング特有の潤いのある自然な音色
  • 豊かな残響・余韻によって創り出される広く深みのある音場
  • どんな音楽も非常に満足度の高い音で奏でる
  • 特に大編成オーケストラ物やボーカルとの相性は抜群

M2はすごく味わい深い音を奏でます。「鳴る」ではなく、あえて「奏でる」という表現を使いたくなるような音です。

高音域の線は太めで量感は充分にあります。伸びはもう少し欲しいですが、抜けの良さも感じられます。澄み渡るような上品な音でかなり上質な印象です。中音域は豊かな艶があり、音の厚みも感じられその存在感は特筆モノです。低音域もかなり上質な印象です。木製ハウジングならではのふくよかに広がっていく質感が心地良いです。重低音の沈み込みも感じられ、他の音域を邪魔することなく量感があるのに聴き疲れしにくい絶妙なチューニングです。全体的に潤いのある音ですが暗さは感じられず、自然でありながらメリハリもある聴き易いカマボコ型のトーンバランスです。

自然な印象の音質傾向はどちらのノズルにも共通していますが、全体的なトーンバランスはノズルによって大きく変わります。銀ノズルはカマボコ型ではありながら高音と低音の量感が強調されたややドンシャリ的な音です。黒ノズルは高音と低音の量感を抑えたよりカマボコ傾向の強い音で、中高音寄りに重心のあるボーカルに特化したトーンバランスになります。

音場はすごく広いです。中低音域を中心に豊かな残響と余韻があり、横への広がりは申し分ありません。奥行きもそこそこ感じられますが、欲を言えばもっと欲しいです。分離感も充分にあります。定位感もそこそこ感じられますが、こちらも欲を言えばもう少し欲しいです。木製ハウジング特有の深みのある染み渡るような印象の音場です。解像度は大分物足りませんが、一聴でそういうものを味わう音ではない判るので不満はまったく感じません。

ヴァイオリンの倍音は多めで柔らかい音です。ピアノの響きも多めですが、輪郭のくっきりした音なので主旋律と副旋律の聴き分けがつきやすいです。ベースやドラムの音には深みがあり、広がりも充分に感じられます。女性ボーカルには豊かな艶があり、透明感も十二分に感じられます。男性ボーカルは芳醇で透明感があり、優しさや深み・豊穣さも充分以上に感じられます。女性ボーカルも男性ボーカルも絶品と言いたくなるほどの質感です。

全体的に中庸な脚色感の自然な音色なので、音楽ジャンルとの相性はまったくと言って良いほどありません。バンド編成物のポップスやロック系は派手さがあり、乗りの良さもしっかり感じられます。ボーカル物もクリアかつ自然で聴き易く、ちゃんと楽器と同じ場所で歌っているように聴こえます。大編成オーケストラ物やクラシック系との相性は特に素晴らしいです。華やかさと落ち着き感が絶妙なバランスで両立しており、まとまり感もしっかりあります。電子楽器が多用されたテクノポップも無難に鳴らし、音にキレがありキラメキも充分に感じられます。どの音楽もその良さが見事に表現されていて満足度は非常に高いです。

音質傾向


銀ノズル:カマボコ系、ウォーム系、リスニング系
黒ノズル:カマボコ系、ウォーム系、リスニング系

音質評価


高音域:★★★★
中音域:★★★★☆
低音域:★★★★☆
音場感:★★★★☆
解像感:★★★☆

総合評価


Sendiy M2の音質を一言で表現するなら、「超美音系のカマボコ型」が一番相応しいと思います。BOSSHIFI B3B3Sのレビューでこれらの音質を「美音系のカマボコ型」と表現しましたが、M2はその音を数段上回っている上に広く深みのある音場も味わうことができます。オーケストラ物やボーカルとの相性は絶品の域で、M2で音楽を聴いているとあまりのリアルさに鳥肌が立つ感覚を繰り返し味わうことができます。美音系と音場感が大好きな私はM2の音に一聴惚れしてしまいました。このイヤホンは一生使い続けるつもりなので、私は予備機として追加で2個程買っておこうかと思っているくらいです。

M2の販売価格は$45位ですが、そのコスパは私がいままで入手したイヤホンの中で間違いなく飛び抜けてナンバーワンです。B3とB3Sを「好みのツボはまれば」という条件付きで推薦しましたが、M2はこの条件を取り払っても良いように思えます。解像感のようなものではなく音の潤いや深みを味わうイヤホンですが、M2で音楽を聴いた後に他のイヤホンに換えると物足りなさを感じてしまうほど中毒性が高いです。音質の好みは個人差があるので絶対とまでは言えませんが、自信を持って万人に薦められるほどM2の音質は素晴らしいです。中華イヤホンにはまって本当に良かった思えるほどの逸品です。

客観性を重視して下のような評価ランクにしましたが、私の好みを大きく反映させてもらうなら星5つの満点にしたいほどM2の音質に満足しています。

評価ランク:★★★★☆

商品ページ


Sendiy M2

AliExpress.com Product - Sendiy M2 Hi-End Blackwood Hi-Res HIFI In-Ear Headphones with dynamic sound

追記(2016/10/17)


Sendiy M2を入手して以来中華イヤホンに対する興味が一気に薄れてきました。これ以上のイヤホンが出てくるとは思えないからです。それくらいM2の音質に満足しています。私にとって、一万円以下の価格帯はM2がイヤホン・スパイラルの終焉機になりそうです。音色についてはほぼ完全に満足しています。ただし、定位感や解像感が物足らないです。M2の音色のままでこれらの質がより高い物が欲しいです。そういうイヤホンはなかなかないでしょうが。

最近はほとんどM2しか使っていません。M2で音楽を聴いた後に他のイヤホンに換えると、音の艶や深みが物足りなく感じてしまうからです。M2でずっと音楽を聴いていて自覚したことがあります。私はどうもBAよりダイナミックドライバの音の方が好きみたいです。ダイナミックドライバの方がより自然な音だと思えるからです。いまはハイブリッド・イヤホンが流行りですが、私は今後中高価格帯のシングルダイナミック型に的を絞ってイヤホン探しをしていくつもりです。中華イヤホンにはこういう機種は少ないので、今後個人使用用に中華イヤホンを買う頻度は低下するでしょう。いまはHiFiMAN RE-600、Acoustune HS1004、Trinity Audio Sabreが気になっています。
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2016-10-15 12:11 | Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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